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椎間板ヘルニアの診断と様々な治療方法
椎間板疾患(Intervertebral disk disease)には、椎間板変性症(Degenerative disk disease)と椎間板ヘルニア(Intervertebral disk herniation)が含まれます。
椎間板は脊椎と脊椎の間にある軟骨様の組織です。クッションの役割をするため、コラーゲンなどを主成分とした水々しく弾力のある構造をしています。
椎間板ヘルニアは、加齢や遺伝的要因(軟骨異栄養犬種:ダックスフント、プードル、ペキニーズ、ビーグル、フレンチブルドッグ、シーズーなど)により水分が失われ硬くなった椎間板(=変性した椎間板)が脊髄の方へ飛び出し、脊髄神経を圧迫する病気です(図1)。 また、変性していない椎間板が外傷性に飛び出す特殊なタイプ(水和髄核の逸脱)もあります。
これらは問診・身体検査・神経学的検査などを踏まえ、最終的にはMRI検査によって画像診断します(図2)。
図1 椎間板ヘルニア模式図(左:横から見た図、右:正面から見た図)
図2 頚部MRI(T2強調画像) 変性した椎間板は白さが無くなる(青矢頭)、椎間板物質が脊柱管内に突出して脊髄を圧迫した状態が椎間板ヘルニア(ピンク矢印)
椎間板ヘルニアでは、症状の重症度やMRI所見などによって推奨される治療方法が変わります(図3)。
特にグレード3以上(足を動かすことができない麻痺がある状態)の重症の際は、飛び出した椎間板を摘出し脊髄圧迫を軽減する手術が行われます。
頚部では主に腹側減圧術(ベントラルスロット形成術 Ventral slot)、胸腰部では片側椎弓切除術(Hemilaminectomy)や小範囲片側椎弓切除術(Mini-Hemilaminectomy)などを椎間板摘出法として行います(図4、5、6)。
また、圧迫が軽度でも痛みが強かったり・繰り返しているケースや、慢性多発性のケースでは、PLDD(経皮的レーザー椎間板髄核減圧術 Percutanus Laser Disk Decomppression)が適応になります。PLDDは人医療では「椎間板ヘルニアの日帰り手術」として確立されている身体への負担が少ない手術方法です(図7)。
 ※PLDDについての詳細はこちらをご参照ください:https://shinmejiro-mri.com/medicalcare-pldd.php

図3 重症度による治療方法の適応範囲
図4 腹側減圧術(ベントラルスロット形成術)の手術画像
図5 腹側減圧術後のX線画像(黄色矢印で示した椎体に開けた穴から椎間板を取り出します)
図6 片側椎弓切除した後の肉眼所見
図7 PLDDの治療イメージ
動物医療センターグループでは、新目白通り第2高度医療センターと提携することでこれらの治療方法全てが可能な体制を整えております。
緊急性の高いケースでも早期の診断・手術に対応が可能となっております。
また、手術後のリハビリテーションはCCRP資格保有の専門獣医師のアドバイスを受けながら、その子その子に合わせたオーダーメイド方式で実施いたします。
椎間板ヘルニアの診断をすでに受けている方の治療にも対応いたします。ご気軽にご相談ください。

動物医療センター元麻布
脳神経科担当 獣医師 大竹大賀