内視鏡とは、カメラや電気がついていて、直接映像を見ながら検査・治療・処置を行える機器です。この内視鏡を使用して行う手術を内視鏡手術といいます。
内視鏡はわんちゃんや猫ちゃんにおいても様々な場面で活用されます。
・異物の摘出
・鼻腔内の観察
・食道内の観察
・上部消化管の観察
・下部消化管の観察
・組織の採取
など上述に示すのが、主な内視鏡手術になります。
胃内異物の場合、胃から十二指腸に流れておらず閉塞がない場合に適応となり、胃内に異物が停留していることをレントゲンや超音波で確認してから行います。全身麻酔をかける点は変わりませんが、開腹をせず異物を摘出できるので動物の負担を軽減することが可能です。また、観察をしながら手術ができるので取り残しの防止にもなります。

鼻腔内の観察は、口から内視鏡を入れてそれを反転させることで行います。内視鏡の先端は曲げ伸ばしができる構造になっているため鼻腔内の異物や狭窄の部位、程度を評価することが可能です。さらに、鉗子と呼ばれる先端につまみの様な構造がある機器を内視鏡に挿入することで腫瘍や粘膜の異常などがあった場合に組織の一部を採取することで診断の手助けとなります。
その他、巨大食道症や食道狭窄などを疑う場合に食道の観察をしたり消化管の炎症や出血、腫瘍などが疑われる場合に上部および下部内視鏡を用いて診断を行います。

最近では、身近な内視鏡手術として腹腔鏡避妊手術があります。避妊手術といえば腹腔を切開して卵巣子宮を取り出す方法が一般的ですが、腹腔鏡を用いることで腹腔内で出血の有無や他の臓器などを観察しながら手術を行うことができます。さらに、切開部が小さく開腹手術より侵襲性が少ないのも特徴です。
避妊手術は、卵巣子宮の病気の予防のためにも重要であり発情が来る前の6-7ヵ月が適齢期とされています。初めての手術となると少しでも負担を減らしてあげたいですよね。

内視鏡以外にも検査や手術について不安な点やわからないことなどたくさんあると思います、些細なことでもご相談ください。

執筆担当：獣医師 尹
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