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苦手な方はご注意ください。

猫の皮膚病
猫の皮膚病の原因として真菌が皮膚や被毛に感染する「皮膚糸状菌症」があります。
顔や四肢に発症することが多く、特徴的な円形脱毛を示します。特に若齢の免疫が弱い子猫や抵抗力が落ちている際に発症が見られます。
症状は特になく、脱毛のみを伴います。2次的な細菌感染によりかゆみを伴う場合もあります。
実際の脱毛が見られた猫ちゃんの写真です
皮膚糸状菌症の診断は、まず
1.脱毛の部位
2.外貌
3.年齢
これらの客観情報から仮診断します。

次に、ウッド灯と呼ばれる紫外線照射装置を使って脱毛の部位および全身を照らしていきます。
皮膚糸状菌症に感染している場合、緑色の蛍光を発します。感染していても蛍光を発しない場合もあるので確定診断は培地を用いた培養になります。脱毛部位の毛を一部培地に生やし約2週間ほどで培地が赤く染まれば陽性となります。
こちらが陽性反応を示した培地の写真です。
陽性の場合は、顕微鏡で鏡顕をして感染の確認も行います。こちらは、皮膚糸状菌の原因であるMicrosporum canisの大分生子です。
皮膚糸状菌症の治療は、主に内科療法と洗浄です。
部位によっては、脱毛部分にウッド灯を照らしながら糸状菌の付着している部分を毛刈りし洗浄します。また、抗菌薬の内服も併せて治療します。治療には1ヵ月以上要する可能性もあります。

皮膚糸状菌症の最も気をつけなければいけない点は人や他のわんちゃん、猫ちゃんに感染する危険性がある点です。人の場合円形の皮膚炎が見られたり痒みを伴います。
皮膚糸状菌症に感染した場合は、他の猫ちゃんやわんちゃんがいる場合隔離が必要であり感染した動物が使用したものは消毒する必要があります。再発を防ぐためにも自宅の環境の処置が重要となります。

皮膚の症状は外貌でとてもわかりやすくとても気づきやすい症状の1つです。少しでも気になることがあればご相談ください。

執筆担当:獣医師 尹
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