※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。

脛骨近位骨折
脛骨とは人で言うスネの骨で長管骨骨折(長い骨の骨折)の21%と言われています。橈尺骨骨折についで多い骨折です。今日は脛骨骨折の中でも近位側の骨折(膝に近い部分)についてお話します。
患者さんはトイ・プードルの4ヶ月齢、1.8kgでした。抱っこしていて落としてしまってから足を挙げるとのことで来院されました。X線で脛骨骨折が確認され、そのなかでも近位側が折れているのが分かりました。
ひびが入るくらいであればバンテージで固定できるケースもありますが、ここまで折れてしまっているとバンテージは難しく、放っておくと骨が萎縮して癒合不全(骨がくっつかず骨吸収されてします)になってしまい、最悪の場合、足が使えなくなってしまうこともあります。
矢印の部分で折れているのが分かります。
手術では髄内ピンというピンを用いて、折れ曲がりの方向に強度をもたせます。髄内ピンだけですと骨の回転が抑えられないので(ピンを軸に回る動きが出てしまう)、回転抑制のプレートを設置します。この方法を専門用語でプレートロッド法といいます。さらに、脛骨近位は膝蓋骨が付着しており、大腿四頭筋という後肢で最も強い筋肉が上に牽引する力が強く働きます。そのため、プレートを入れても後屈してくる事が多いので、それを予防するためにテンションバンドワイヤーを設置します。
完全に折れてしまっているのが分かります。すぐに手術できたので、骨折面はきれいです。
右上に飛び出ているのが髄内ピン、真ん中のT字型のがプレートです。
最終的にテンションバンドワイヤーという針金のようなものをくくりつけて終了です。
皮膚を閉じる前に上腕骨から骨髄移植を行い終了となります。
術後から患肢の負重が認められ、元気に飛び回るようになりました。術後数日は痛みは続きますが、3〜4日もするとほとんど痛みがなくなります。
術後のレントゲンです。骨折面もきれいに合っているのが分かります。
時間帯やタイミングによってはその日や次の日に手術することも可能です。何かあったときにはすぐにご連絡ください。

執筆担当:獣医師 磯野
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