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外耳炎
最近わんちゃんねこちゃんが耳を痒がっている、耳が臭う、耳垢が増えたなどの様子はございませんか?
そのような症状が見られた場合、外耳炎を起こしているかもしれません。

●外耳炎とは
耳は大きく外耳、中耳、内耳に分かれており、耳の入口から鼓膜までの外耳に炎症が起こることを外耳炎と言います。
犬猫ともによく見られる病気で、耳の痒みや痛みを引き起こすだけでなく、耳道が炎症によって腫れたり、厚くなったりします。
外耳炎が長引いたりひどくなると、炎症が鼓膜を越え、中耳炎まで波及することもあります。

●症状
・耳の痒みや痛み:耳を足でかく、耳を床に擦り付ける、頭を振るなど
・耳が臭う
・耳垢の量が増える
・耳付近の脱毛  など

●原因
・細菌
・真菌(マラセチア)
・寄生虫(ミミヒゼンダニ、ニキビダニなど)
・アレルギー性疾患
・異物(植物の種など)
・耳の構造:耳道の通気性が悪いと細菌や真菌が繁殖しやすくなります
 例えば…
  垂れ耳(exダックス、キャバリア、ゴールデンレトリバー、トイプードルなど)
  狭い耳道(exスコティッシュフォールド、アメリカンカールなど)
  耳道に毛が多い(exシュナウザー、トイプードルなど)

 外耳炎の原因は様々ですが、犬では細菌感染や真菌の増殖、猫ではミミヒゼンダニが多く見られます。

●検査
・耳鏡検査
  耳鏡を用いて、耳道内の様子や鼓膜の状態を確認します。
耳鏡
・耳垢検査
 耳垢を顕微鏡で見て、細菌や真菌、ダニなどの寄生虫がいないか確認します。
マラセチア(黄矢印)
ミミヒゼンダニ(赤矢印)
・細菌培養検査、薬剤感受性検査
 細菌感染が重度の場合、耳垢を外部の検査期間へ送り、細菌の種類を同定します。また、その細菌の薬剤感受性試験を行い、抗菌薬を選択します。

●治療
・耳洗浄
 洗浄液や生理食塩水を用いて耳道内を洗浄します。
・点耳薬
 抗菌薬、抗真菌薬、抗炎症薬などが含まれた点耳薬を投与します。ご自宅で毎日投与していただくタイプ、病院で一度投与することで効果が持続するタイプなど様々な種類があります。
・駆虫薬
 ダニなどの寄生虫がいた場合は駆虫薬を投与します。
・内服薬
 細菌感染が重度な場合は細菌培養検査を行い、感受性のある抗菌薬を使います。
 真菌の増殖が過度な場合は抗真菌薬、耳道の炎症や腫脹が強い場合は抗炎症薬などの内服薬を処方することもあります。
 外耳炎は治るまでしっかりと治療することが大切です。動物病院以外での耳掃除により、耳道が傷ついてしまったり、汚れが耳道の奥に押し込まれて炎症が悪化する場合もあります。
 何か気になることがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

執筆:獣医師 唐澤